いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

このヘンでフシギな感覚


日々、煩悩との格闘
現実に起こる出来事に一喜一憂
俗にいう、まさしく「人間らしい」生活を送っている

けれど、ときどき、ふと、ふしぎな感覚に襲われることがある。

例えば、高校の体育祭。
私が通っていた高校は、体育祭はすごく盛り上がることで
わりと有名な学校であった。
当然、みんな青春の1ページを飾るべく、力を合わせて
がんばって、盛り上げていこうとする。
そんなみんなの姿を見て、すーーっと冷めてしまう自分がいた。
「なんか、うそっぽい。」

例えば、お葬式。
中学時代、大学時代の友人が若くして亡くなった。
一緒に過ごした頃を思い出す。涙がこみ上げる。
親族、友人が故人を偲んで時を過ごす。
もちろん悲しい、なのに不謹慎ながら、なぜかふふっと笑い出しそうになってしまう。
「なんか、うそっぽい。」

例えば、入試。
希望の学校に入りたいと、試験に向けて勉強してきたつもりだった。
試験当日。
それまでの思いとはほど遠い現実感のなさ。
私は一体今、何をやってるんだろう??
大学って何なのか、入試って何なのか??
これから先、何があるというのか??
そんな思いに駆られる自分がいた。
挙げ句、試験中うとうと居眠り。
このふらふらした感覚。「なんか、うそっぽい。」

例えば、家族。
当然のように一緒に暮らしてきた、父、母、姉、弟。
だけど、ふと思う。
いったいあなたたちは誰なんだ??
家族ごっこをしてきたのか??血のつながりって何なのか??
「なんか、うそっぽい。」

「なんか、うそっぽい。」
この感覚にとらわれると、まるで私と現実をつないでいる糸が
ぷつんと切れて、しゅるしゅるしゅるーーっと飛ばされて、
ひとり、宇宙のもくずのように、さまよってしまうようで
とても怖かった。

けれど、最近、この感覚を楽しむ自分に気づいた。
この本を読んでから。。

小学4年生の娘。
自分の世界を持ち、自分の考えを持ち、自分のスタイルを
作っていこうとしている娘。
確かに10年前、あなたは私のおなかから出てきたはず。
だけど、すっかり心も体も大きくなったあなたを見るにつけ
こう思う。あなたはどこからやってきたの??
私はこの子を産んだのか??
「なんか、うそっぽい。」

「なんか、うそっぽい。」
そう思う自分自身が「なんか、うそっぽい。」
私は、いったい誰なんだろうか??