いのしし日記

ワタシノトリトメナイハナシ

こども経由

先日のことである。
娘が冷蔵庫から取り出したジュースを
コップに注ぎ、その場で立ったまま
ひとくちゴクリと飲んだ。

それを見ていた夫は、不機嫌そうに言った。
「あのなあ、ちゃんとテーブルまで持ってきて
座って飲めよなあ。。そういうのみっともないんだぞ。
いつもそうやってると、それが癖になるんだ。。」

そばで聞いていた私は
「そうそう、まったくお行儀が悪いわよねえ。。」と
心の中でつぶやいた。

そして、翌朝。
家族が出かけた後、私はいつものようにコーヒーを入れ
マグカップを手に持ち、その場で立ったままゴクリ。
あ!!あーー!!
わっ、わたしも娘と同じだ。
いまさらながらに気づいた。
この動作、いつもやってる、それも無意識に。
娘のことを言えたものではない。
このお行儀悪い癖が既についてしまっているのは私であった。
あー、娘よ、こんな母をお手本にするなかれ。

それから、わかった。
夫が娘に注意したことは、本当は私に注意したかったことだったんだと。
妻のお行儀悪さに辟易していたところに
娘もまったく同じ行動をとっているところを目撃して
心の中で夫は大きなため息をついたのだろう。

年を重ねると、人から注意されることが
だんだんと減ってくる。
それは、人間ができたからなーんてわけではない。
ただ単に、年取ったから、周りが遠慮しているだけだ。
夫も、40半ばの妻に向かって
「コーヒーは、ちゃんと座って飲みなさい」なんて
こどものしつけみたいに言いたくなかっただろうし。
まあ、今さら言ってもなあなんて思って
この悪癖を苦々しく感じつつも、きっとずーっと
見て見ぬ振りをしてきたのだろう。
あーー、恥ずかしい。

注意されるうちが華。
あー、注意してもらえる若さがこれほど羨ましいなんて。
しかし、いくら羨んでも、私は、着実に年を取ったのだ。
そうやすやすと注意を受けることがないのが現実なのだ。
だから、「私って大丈夫!?」と
時には、自分の行動を注意深く観察することだ。
これが、おばさんの自己責任というもの、と
強く思ったのである。

そして、夫のこどもに対する声かけは
こども経由の私への数少ない貴重な注意である可能性が高いと
心得たところである。