いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

その律儀さに心打たれる

花は、季節を待っていたかのように咲く。
梅や桜、菜の花、ひまわり、コスモス、スイセン。。。
春、夏、秋、冬と四季の移り変わりに
生きてきたという、生きているという、生きていくという
感慨を覚える。
花ってきれいだなあ、また来年も見たいなあと思う。

花のことは、ちっとも詳しくないけれど
花を見るのは好き。
いや、好きというより、毎年同じ時期に変わらず咲く花に
自然の営みの偉大さを感じて感動するといった方がいいかもしれない。

だからなのか、花のなかでも、私がもっとも
心揺さぶられる花は、「彼岸花」である。

季節を待って咲く花たちは
天候や気温に左右され
咲く時期が多少なりとも前後するけれど
彼岸花は、その日を待って咲く。
春と秋のお彼岸のときに咲く。

先月、秋分の日。
田んぼのあぜ道を真っ赤に彩った彼岸花が目に入った。
今年の秋もまた、その姿を現した彼岸花
私はいつものごとく、感心した。
お彼岸を過ぎると、誰にもなにも告げず
いつの間にかすっと姿を消してしまう。
そんなひっそり感もとてもすてきだ。

年に2回、その日を待って咲く律儀な彼岸花
ほかの花とは違った人間的な何かに
毎回毎回、心打たれる。