いのしし日記

ワタシノトリトメナイハナシ

爪をかむ

夫の同僚に4歳の女の子を持つお母さんがいる。
先日、彼女が夫に相談したそうだ。
娘が爪を噛むと。
おそらく、保育園や周りの人たちに
愛情不足ではないかと言われたのではないだろうか。
不安な表情の彼女に
夫は、大丈夫だよと声をかけたそうだ。

「大丈夫」
この言葉は、母親を慰め、癒してくれる魔法の言葉だと思う。

夫が、大丈夫だと口にしたのは
我が家の経験があるからだ。

長女は小学生になっても指しゃぶりが治らなかった。
寂しいからだろうか、愛情が足りないのだろうか。
娘が指しゃぶりをする姿を見るたびに
彼女から「お前は母親失格だ」と言われているような気がした。
誰かが娘のおしゃぶりを見たら
この子の母親はきっと子どもに愛情のないだめ人間だと
責められるような気がした。

悩めば悩むほど、混乱し
とうとう、おしゃぶりをする娘の行動をきつく叱るという
最悪のことをした。
すると、彼女は、ふとんの中で、部屋の隅で
私に隠れて、こっそり指しゃぶりをするようになっていた。

ショックを受けた私はその後
彼女の指しゃぶりを叱らず
いつかそのうちやめるだろうと思うようにした。
もうこの際、好きなだけ指をしゃぶってくれたらいいと思うようになった。
するといつの間にか、娘を指しゃぶりをやめていた。
私がそうできたのは
夫が、大丈夫だよと言ってくれたからだと思う。

子どもが爪を噛んだり、指しゃぶりすることは
一般的に愛情不足と言われることが多い。
たぶんそうなのかもしれない。
たぶんそうなのだと思う。

だけど、その愛情不足の原因を
人はなぜ無言のうちに
母親にあると思ってしまうのだろうか。
母親はいつも子育ての責めにさらされる。

子どもの今の状態を否定せず
そのままを受け入れ
「大丈夫」と子どもに伝えてあげるには
母親にも「大丈夫」と言ってくれる誰かが
絶対に必要なのである。