いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

蜂の巣から見る社会

おととい日曜日、庭いじりをしていた夫が
血相を変えて戻ってきた。
スズメバチの巣が〜〜!!!!」

我が家の小さな庭の小さな生け垣のなかに
スズメバチが巣を作っていた。。

スズメバチに刺されると命の危険があることは
周知の事実。
今まで何も気付かず、生け垣の周りをうろうろしていたことを思い
夫と二人してぞっとした。
すぐに駆除業者に電話をしてみたが
日曜日ゆえ会社はお休みで、オペレーターの人が対応してくれた。
翌朝、蜂の巣を見に来てくれるとのことで、電話を切った。

肝っ玉の小さい私たち夫婦は
夜になっても庭のスズメバチの存在が頭から離れず
ぐっすり眠れないままその日の夜を過ごした。

そして、昨日の月曜日
朝早く来てくれた業者さんは
若い男の人だった。
生け垣の中にある巣を確認すると
「じゃ、今からとりましょうか。。」と
まるで、草取りでもするかのような
軽いノリの返答。。

えっ。。えっーー。
大丈夫ですか。すぐにできるんですか。。
おまけに防護服も身に着けず
ゴム手袋だけで大丈夫なんですか・・

腰が引けたおじさんとおばさんの横で
「慣れてるから、大丈夫ですよ」と
落ち着き払ったその若い業者さんは
さっさっさっと、数分で蜂の巣をとってくれた。

まだ小さい蜂の巣とはいえ
命の危険が伴う作業である。
わずか5000円でその作業を引き受け
私たちの暮らしを守ってくれる彼らの仕事に
尊敬と感謝の念しかなかった。

こういう仕事こそ、こういう仕事をしてくれる人こそ
大切にしなければならないと改めて思う。
彼らなくして、私たちの暮らしは成り立たない。
それほど大切な存在だ。

ところがどうだ、世の中の仕組みは全く逆である。
頭の中でお金を右から左に動かし
自分の手も痛めず、命も削らず、搾取する人間たちが
社会的地位や高収入を得ることができる。
こんなシステム、どう考えてもおかしい。。

中抜き人間が一人や二人いなくなっても、社会全体は痛くも痒くもないが
蜂の巣をとってくれる若い彼がいなくなることは
この社会の大きな痛手である。

どちらの存在を大切にすべきかなんて、分かりきっている。