「まんがでわかる」
私は、この言葉が大嫌いだ。
活字本をマンガにさえすれば、、
そんな本の作り手の気持ちを感じ、彼らの読者の知の信頼感のなさに絶望する。
まんがでわかると言われると、マンガでなど分かりたくないと怒りがこみ上げる。
だから、この正論マンガ「官僚天国日本破産」を手に取った時
原作者の衆議院議員石井こうきは、なぜ、マンガ本になんかしてしまったのかと
思った。
しかし、読み進めるうちに、気が付いた。
これは、私の嫌いな「まんがでわかる」本ではないことに。
この本が、「まんが」という手段を使って、伝えたかったことは、日本の官僚政治に対する石井こうきの怒りであり、国民への思いであり、日本社会を立て直したいという強い決意である。
戦後日本の政治体制が、官僚機構が、そして彼らのための特殊法人が、特殊法人が出資する株式会社が、国民を食い物にしているという事実を、石井本人が調べ上げたデータとともに、告発している。
この本を読めば、なぜ、東京オリンピックを招致したのか、大阪万博を招致したのか、この期に及んでも、オリンピック開催を目論む理由が一目瞭然である。利権にまみれた官僚、その官僚に乗っかる政治家。その付けを払わされるのはいつも国民である。
年々生きづらい世の中になるこの日本で
コロナ禍で、ますます苦しくなる生活の中で
私たち日本人が今本当にすべきことは何なのか。
指をくわえて携帯料金値下げを待つことだろうか。
政府に言われるがままコロナワクチンを打つことだろうか。
GOTOキャンペーンに乗せられて、旅行に行って、感染を広げることだろうか。
命をかけて、日本社会の現実を調べ上げた、石井こうきの本を手に取ることではないだろうか。
日本人は、いつまで事実に目をつぶって生きるつもりなのだろうか。