著者の本間さんを知ったのは、youtubeチャンネル「一月万冊」である。
温厚でいかにも人の好さそうな印象とは裏腹に、歯に衣着せぬ言葉で痛烈な批判をする著者。その動画内で、時々、逮捕されたことや、留置場や拘置所の話をする。彼はいったい何をしたのだろう。。
そうして、この本を手に取った。
本を読むにつれ、本当にこれが、本間氏のことなの!?と思うような驚くべきことが書き綴られている。転落の一途をたどる出来事の数々に、頭がくらくらした。これは、まるで小説だ。。
小さな欲と見栄のために一つの過ちからあっという間に転げ落ちていく。友人や家族など近しい親しい人を巻き込み、冷静な判断力を失っていく著者の心情が克明につづられている。その著者の恐怖がどんどん伝わってきて、こちらまで逃げ出したくなってくる。著者の筆力に圧倒されながら、読み進める。
ところが、転落の一途かと思いきや、冷静な判断力を取り戻した著者が時に現れる。それは、弁護士、警察、裁判所、刑務所などと対峙する場面でだ。これはいったい何なのだろう。
彼が判断力を失うのは、世間的には博報堂という華やかな企業の社員という立場、社内ではタフネゴシエーターと称される社員という立場、家庭では妻や子を愛する夫であり父という立場、家庭を離れれば不倫関係を保てる女性がいるという男の立場、そして、自分を信頼してくれる友人に囲まれているという立場、、それらの場面において、彼は冷静な判断能力を欠き、うそにうそを重ねていく。
一方、彼が冷静な判断力で行動するのは、弁護士、警察、裁判所など、ふつうは関わることのない人たちに対するときである。
これは、世間的立場を失った状態、言い換えれば、立場の呪縛を逃れられたとき、人は冷静な判断力を取り戻せるということなのだろうか。
現在、youtubeで見る本間さんの表情は、明るい。
それは、立場を失った、いや、立場から解放されたからではないか。
この本は、転落の記でありながら、希望の書たりうる。
そう強く思った。
そして、この本を手元に置いておきたいと思った。
なぜなら、読み終えたばかりのこの本は、県立図書館で借りたものだからである。
早速、ネットで注文しようとしたが、どこにもない。。
中古本が見つかったが、とてもじゃないが買える金額ではないし
買ったところで、この本を書いた本間さんに一円たりとも入らないのはいやである。
この本の復刊をぜひお願いします!
