フェミニストは、苦手だ。
だから、上野千鶴子の本は、これまで読んだことはなかった。
なのに、今回、彼女の本をなぜか、手に取っていた。
それは、ワタシが、年を重ねたからなのか
それとも、タイトルの「おひとりさま」にひかれたのか
どれも正解のようであり、どれも違うようでもある。
けれど、敬遠していた理由は、ひとつだけ分かった。
著者の歯に衣着せぬ物言い、相手に嚙みつかんばかりの論調が
ワタシはずっと苦手だった。
その姿勢が、主張を譲らない、ワタシの母とダブっていたからだ。
ワタシは、ワタシの母に子どもの頃から違和感があったのだが
母と子という関係ゆえか、苦手な理由を探し当てることができずにきたが
50年かかって、ようやく、団塊世代として生きてきた一人の人として
見ることができるようになった。
著者とワタシの母とでは、学歴も能力も性格も雲泥の違いはあるが
主張の激しさだけは非常に似ている。
ワタシは、母を遠ざけるように、無意識に上野千鶴子も遠ざけていたのだろう。
本著には、女おひとりさまとして生きるすべがいろいろと書かれていて
どの章もとても興味深かったのだが、その中でも特に「世代間対立の罠」というインタビュー形式での章は、上野千鶴子感満載で、非常に面白かった。
主張のぶつかり合いが本質に向かっていくさまが、臨場感あふれていて
苦手だった喧嘩腰の上野の口調が愛おしく感じられてしまった。