いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

加害者も被害者

 

子育てをしていて、ハッとするときがある。

良くも悪くも、自分が育てられたように子育てをしているということ。

自分にとってのうれしかったことも

自分にとっての悲しかったことも

自分にとっての楽しかったことも

自分にとっての悔しかったことも

自分の子どもにしてしまっている。

 

人は、自分にされたことを往々にして人にしてしまうものだと思う。

自分がされて嫌なことは人にはしないという人ももちろんいるだろうけれど

人間はそれほどできたものではない。

 

優しくされれば、人に優しくしてしまうし

傷つけられれば、人を傷つけてしまう。

 

自分がされたことを人にすることのハードルは

自分のその経験が心の中に深く深く

自分でもどうしようもないほど深く深く刻まれているほど

低くなってしまうのではないか。

 

加害者は何らかの被害者。

加害者の陰に、さらなる加害者が潜む。

加害と被害の連鎖の末に、ある時、加害を受けた被害者の

抱えきれない思いが暴発する。

 

だけど、逆に考えると

人の経験が連鎖するのだとすれば

優しさや思いやりも連鎖するはず。

世界中がいきなり平和になることはない。

目の前の人、例えば身近な家族や職場の隣の席の人に

優しい言葉をかける。

そんな小さなことしか大きな未来を作り出すことはできないのではないかと思ったりする。