この本を手に取るのは、自分を内向型人間だと思っている人で
そのことで、悩みを抱えたり、生きづらさを感じていたりしている人ではないだろうか。そして、たいてい、そんな自分を少数派だと思っていたりしないだろうか。
ワタシがそうだった。
けれど、本著を開いて、すぐに安堵する。
あーー、自分だけじゃないのだと。
著者は言う。
人間の2,3人に1人は内向型の人間。
つまり人間は、外向型と内向型が半々。
なのに、今の社会は、内向型の人間が生きづらさを抱えがちだ。
逆に言えば、それは、今の社会が、外向型の人間が生きやすいように
設計されているということだ。
あらゆる教育が、人間を内向型から外向型にしようとしがちである。
著者は、そこに、大きな一石を投じている。
社会における内向型人間の必要性。
ひとりの時間、内省する時間が人間に必要なこと。
そして、そこから生まれる創造性。
専門家のさまざまな実験や研究を紹介しながら
内向型人間の利点を説いていく。
その説明も、ただ単に実験や研究結果のみによって断じることなく
弁護士という著者らしく、それらの結果にひとつひとつ反証しながら
解説していく。まさに内向型人間だからこその著作である。
読み終えたときには、自分が内向型人間であることを
幸せに思うに違いない。