スキーに行ったのは、これまで1度きり。
高校の修学旅行で、有無を言わさず連れていかれた。
そして、これが、多分、ワタシにとって生涯最初で最後のスキーだ。
学校の体育はわりと得意なほうだった。
中学までは、部活はバレーボールをやっていたし
ときにはメンバー不足の陸上部に臨時部員として
呼ばれたことだってあった。
小学校の運動会ではリレーメンバーに選ばれて得意満面だった。
だから、スキーだって、きっとできるだろうと思っていた。
ところが、どうだ。
これが全然滑れないのだ。
初めてスキーをする同級生たちがほとんどを占めたはずなのだが
みな、しばらくすると、楽しそうにすいすいと滑っていく。
そんな中で、いつまでも苦戦するワタシ。
へっぴり腰で、泣きべそかいてスキー教室に臨まされた。
結局最後まで、まともに滑ることができず
なんとも惨憺たる修学旅行だった。
長いスキー板をつけ、足が自由に動かせず
ふらふらと安定しないうえに
重装備のスキーウェアでさらに動きが緩慢になる。
もう、ワタシの身体能力の度を超えていた。
以来、自分が運動神経がいいなんて、口が裂けても言えなくなった。
冬のオリンピックが始まった。
スキー、スノボ、スケート、ジャンプ、モーグル、、
滑れるだけでもすごいのに
タイムを競い、遠くまで飛び、さらには宙を回転する。
小さな人間が、広い銀世界の中を、自由自在に
滑って、跳ねて、飛んで、空を舞う。
これって、もう鳥人、超人!!
ウィンタースポーツは、危険と隣り合わせ。
一歩間違えれば命だって失いかねない。
冬のオリンピックの選手の表情は、夏のスポーツとは何かどこかが違うとなんとなく思っていたけれど、それは、文字通りの命を懸けた戦いだからではないかと思った。
スキーができなかったワタシから見れば、彼らは、本当にもう、神の領域。