いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

あぶく銭の行方

「カウンセリング」なるものにずっと憧れていた。

 

カウンセラーに、悩みを、うんうんと聞いてもらい

その後、目からうろこのアドバイスをいただき

その瞬間、心がふっと軽くなって、人生が開けるみたいな。。

そんな光景を想像していた。。

今、思えば、単にその手の本の読みすぎによる

重度の後遺症を患っていたのだろう。

人生そんなに甘くはない。

 

カウンセリングに憧れながらも

カウンセリングのハードルを飛び越えることのないまま

中年の域に達したある日

カウンセリングを受けているという人と知り合いになった。

 

神様は、ワタシにカウンセリングの機会を与えたもうた!!

と思い込んでしまったワタシは、その知り合いにつなげてもらって

憧れのカウンセリング通いをすることになった。

 

さて、憧れのカウンセリングは

音楽療法を取り入れたカウンセラーとのこと。

週に1度、月に1万円という会費が妥当なモノかどうか

相当に迷ったものの、一か八か入ってみたのは

ちょうどその頃、アベノミクスによる株高だったから。

ワタシが持っていた株が、たまたま値上がりし

少しばかりのあぶく銭を手にしていたからである。

 

始めの頃は、ワタシの日々の悩みを聞いてくれ

カウンセラーの先生がピアノを弾き、ワタシが発声の練習をする。。

夢のようなカウンセリングを受けていた。

あーー、憧れのカウンセリング、、と思っていたのも束の間。

 

そのうち、カウンセラーの先生のアドバイス

なんかどこかで聞いたことある的なモノばかりになり

ワタシの悩みを聞いてくれ、人生が開けるはずだった場所は

気づけば、カウンセラーの愚痴をワタシがうんうんと聞く場所に変わっていき

いつしか、その場所から音楽的要素は失われていった。

カウンセラーの話に首を傾げようものなら

「わたしの言うことを疑ってるの!」と恫喝され

最後には、ネットワーク商品(おそらく、マルチ)を売りつけられる始末。

 

ここまでくれば、いくら鈍いワタシでも、気づく。

これは、やばい、、とそそくさと退散したのである。

そして、ワタシは強く心に誓った。

「自分の人生を他人に預けてはならない!!」

 

同時に、このカウンセリングのために使ったお金が

あぶく銭で本当に良かったと胸をなでおろした。

あぶく銭って、本当にあぶくのように消えてしまうのだと

なんか、ヘンに感心してしまった。