いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

すぐにつながるものは、すぐに切れる

それは、一瞬の出来事であった。

 

昨日の朝のこと、スマホでラインの設定をいじっていたところ

手違いでアカウントを削除してしまった(泣)

ラインのアプリを開くと「すべてのデータは削除されました」的な

メッセージが表示され、うんともすんとも言わない。

夫のスマホからワタシのアカウントを確認してもらうと

「このアカウントはありません」。。

 

うそだろーーーー。

まさに一瞬の出来事。

データが真っ白になったら、頭の中も真っ白になった。

そして、アラフィフおばさんの目から涙がポロンと零れ落ちそうになった。。

 

とはいえ、そんな感傷に浸ったのもほんの数分。

その後は、復旧への道を淡々と歩いて、昨日という日が過ぎていった。

 

ほぼひきこもって過ごすワタシのラインの連絡先などたかが知れている。

夫と娘と、数人の親戚、それから、学生時代の友だちは片手で十分足りる数。

あとは、子どもの同級生のママさんたちと社交辞令的に交換したラインがいくつかで

それらは、ほぼお飾り状態。

あとは、子どもの塾と部活のグループラインくらいなもの。

新しいラインのアカウントQRコードをSMSやメールで送ろうと思ったら

連絡が取れない人がいることに気がついた。

それは、電話番号もメールアドレスも知らない、ラインだけのつながりの人。

 

ラインというのは、簡単に誰かとつながれるけれど

同時に、いとも簡単に切れてしまうものなのだなあと

ヘンに感心してしまった。

 

先日、Eテレで若者の貧困を取り上げた番組が放送されていた。

それに出ていた若い女性が

「ラインのアカウントを削除して、つながりを切った」

というようなことを言っていた。

その時は、つながりって、そんなに簡単に切れるものなのかなあと

ぼんやり思っていたけれど

ラインだけのお友だちなら、本当にいとも簡単に切れてしまうのだと

昨日の件で、身をもって知ってしまった。

 

慶応義塾の塾長だった小林信三が言った有名なことば。

「すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなる」

逆に言えば、すぐには役には立たないものが、のちのちずっと役に立つ

みたいなことだそうである。

 

今のSNS社会なら、その言葉を

すぐにつながるものは、すぐに切れる、、

ゆえに、すぐにつながれないものこそ、のちのちずっとつながれる、、

と言い換えてもよさそうな気がする。

 

スマホも携帯もなかった時代

友だちとは、親の存在を気にしながら、固定電話に電話をしあい

遠方に住む友だちとは、電話代を気にして、手紙でやりとりした。

あの頃は、当たり前だったと思っていたことも

あれは、すぐにつながれないものに対するつながりへの努力だったのだなあ。。