いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

目と耳で語彙を増やす

先日の夕方、テレビのニュースを見ていたときのこと。

ロシアによるウクライナ侵攻のニュースのテロップに

「よう兵」という文字が見えた。

 

こういう時、「よう兵」を「傭兵(雇い兵)」と

自分の頭の中で変換しなければならない。

面倒だなと思う。

 

普段使わない言葉とか、難しい漢字とか、常用漢字でないものを

マスコミ、特にテレビでは、ひらがな表記にすることが

やけに多くなった気がする。

 

マスコミ業界で、そういう決まりでもできたのか。

それとも、子どもとか日本語を学び始めた外国の人たちでも

読めるようにとの親切心のつもりなんだろうか。

 

テレビを前にして、思う。

「傭兵」という言葉を知らない人が

ようへい」と読めたとして

いったい、何の意味があるっていうの?

 

日本語は、表音文字表語文字でできている。

表音文字は、音を表し、意味のない文字で、ひらがな、カタカナ。

表語文字は、一つの文字で一つの語を表し、一見して意味の分かる文字、漢字。

 

日本語は、漢字という表語文字のおかげで

聴覚と視覚で言語を覚えることができる。

ひらがなやカタカナは、音として音楽のように耳から

漢字は、意味のある文字として絵のように目から

日本語という言語を学ぶ。

 

だから、漢字そのものの意味を知っておけば

その漢字を使った熟語の意味を推測できる。

日本語の語彙はどんどん増えていく。

 

例えば、自分の頭でモノを考えるとき

例えば、自分の意思を表したいとき

その時、多くの語彙を自分が持っていることが重要になる。

日本語話者ひとりひとりが、考え、意見を言うためには

日本国内に、読めても読めなくても

語彙を増やすための漢字があふれていなくちゃならないはずだ。

 

日本語で誰かに何かを伝えるとき

安易に漢字をひらがなに直しては、いけないと思う。

もし、読めなければ、漢字にルビを振る。

視覚と聴覚の両方による情報伝達。

それが、日本語話者にとって

そして、日本語によるコミュニケーションの

最も大切なことではないかと、ワタシは思う。