いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

おさがり

ワタシには、ふたつ上の姉がいる。

子どもの頃、洋服や学用品などの姉の「おさがり」が

自分のところにまわってくるのが

いやでいやでたまらなかった。

 

家庭はずいぶんと貧乏だったいうのに

そんな事情も顧みず

すねて、ぐずって、泣いては

おさがりを全力で阻止しようと試みた。

親に、ずいぶんと嫌がられていたワタシ。

 

さて、自分が子をもち

家計を預かるようになると

自分の子ども時代など都合よく忘れ

当たり前のように、上の子のモノを下の子にあてがうようになった。

 

ふたりの子どもは8歳違い。

上は女の子、下は男の子。

8年差があると、成長過程が被らないので

長女のモノを、まるごと長男へと移行させた。

 

長男のおさがり生活は、生まれてすぐ、スタート。

 

オムツにおむつカバー、肌着にロンパース

哺乳瓶に、それから、食器。

すっかり色あせ、古めかしいスタイルのベビーカーに

傷だらけの歩行器。

積み木やブロックをはじめ

キッチンなどのいわゆる女の子向けのおもちゃも。。

 

小学校に入れば、鍵盤ハーモニカや彫刻刀などの学用品。

バックやリュック、Tシャツやズボン、帽子にパジャマ。。

 

そして、中学生となった息子は今

8年前に娘が使った学校カバンを背負って、登校している。

 

服や学用品などは

デザインや色などで女の子と男の子の違いがあるし

いくらキレイなモノでも、8年という時の経過を感じるものもある。

 

息子だって、新しいモノがいいと思う時もずいぶんあったと思う。

けれど、今の今まで、黙って、そのおさがりを引き受けてくれた。

悪態つきまくりのワタシから生まれてきた子どもとは思えない。。

 

さて、そんなおさがり生活の息子だが

この一年で、一気に背が伸び、体重も増えた。

我が家のおさがり品は、すっかり底をつき

息子に新しいモノを買う機会が増えた。

 

新しいモノを買うと、入れ替わりに

使わなくなったモノが発生する。

特に、着るもの、、

 

小さくなった彼のトレーナーがもったいなくて

ワタシは、今、それをパジャマとして着ている。

 

因果は巡る。。