いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「三流のすすめ」安田登

 

三流のすすめ

三流のすすめ

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一流、二流、三流、、、の固定観念

思いっきり覆してくれる本だ。

 

一芸に秀でた人、一つの道を究めた人を

ワタシたちは、たいてい、一流と言って

そして、そんな人たちを、もてはやしがち。

 

それは、きっと、人間は、心のどこかで、一番を求めているからだと思う。

自分が一番知っていること、自分が一番できること。。

 

学校では、早くから、子ども達に

将来の夢を一つに限定させ「一流」になれとせっつくし

一つのことに精通した人を「一流」の専門家として、社会がもてはやす。

 

人には負けない何かを持っている。

それは、すばらしいことなのかもしれないけれど

裏を返せば

一つのことしか知らないということだし

居場所が一つしかないということだし

競争原理の中に終始さらされる人生ということかも。。

 

「一流」で生きるとは、とても生きにくいことかもしれない。

そう考えると

ワタシたちが、目指すべきは

果たして、「一流」の人生なんだろうか。。

 

本書でいう「三流」とは

レベルが劣るとか、価値が低いとかいう意味ではない。

 

二つも三つも、知識、経験、興味関心を持つことだという。

それは、自分の心の赴くままでよく、周りに流されてもOK。

中途半端でも、飽きても、中断してもOKだという。

それらが、いつか、どこかで、つながり、自分の世界を広げてくれる。。

 

このことを著者の実体験だけでなく

古代中国の思想家孔子の言葉がまとめられた「論語」を取り上げ

三流の生き方を大切さを説く。

とても分かりやすい解説で、論語を知らないワタシにも、面白く読めた。

 

これからの社会を生きるための指針となるような本。

若い人には、ぜひ手に取ってほしい。