いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

思春期温泉

久しぶりに、温泉宿に一泊旅行に行ってきた。

ワタシと夫と息子の3人で。

 

息子は、中学生というビミョーなお年頃。

思春期の体と心の変化が

もともと恥ずかしがりと緊張しがちな性格に

ますます拍車をかけている。

そこには、もう、悲壮感さえ漂っている。

 

さて、そんな息子を

温泉に連れて行ったのだから

もう、そりゃあ、大騒ぎだった。

 

癒しの温泉が

彼にとっては、地獄の温泉。

 

自分の裸を見られたくない。

父親に見られるなんて、もってのほか。

果ては、風呂になんて入らないと言い出す始末。

それでも、なんとか、大浴場に行ったら

カラスの行水状態ですぐに部屋に帰ってきた。

 

それくらい、大丈夫

あれくらい、大丈夫

みんな一緒だから、大丈夫

みんなついてるものは同じだから、大丈夫

 

そんな言葉をぐっと飲みこむ。

遠い昔の思春期の頃を思い出せよ、自分!と思う。

 

小学校高学年から中学生くらいまでの

体の変化に心や頭がついていけないあの感じ

心や体が何ものかに支配されているかのような

自分ではどうにもならないあの感じ。

 

ホルモンという名の怪物が

自分を乗っ取り、自分の中で暴れまわる。

怪物に翻弄され

さんざん、怒って、泣いて、悩んで、恥じて、、

 

ああ、息子は今

この思春期という時期を、のたうち回って生きているのだ。

 

日々、のたうち回っている彼が

きっと、必死に隠して

きっと、人のモノをチラ見したりして

カラスの行水と言えど

ちゃんと、お風呂に行けたのだ。

なんだか、もう、それで、十分ではないか。。。

と、胸が熱くなったのも束の間。。

 

翌朝には

「ほらほら、せっかく温泉に来たんだから朝風呂行ってきなよ~」

と、息子に追い討ちをかける自分がいた。