いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

とんびの運動神経

毎日新聞のコラム「いきものと生きる」が好きで

毎回読んでいる。

 

さて、昨日のこのコラムは

「トビが人なれするわけ」

と題したお話だった。

 

トビ(トンビ)がその食性から

人間の食事ハンターとなっているというお話だったのだが

コラムの冒頭で紹介されていた出来事に、驚いた。

 

「それ、ワタシも一緒、一緒!!」

 

ついつい新聞紙面に向かって

自分のことを指さした(心の中で)

 

その出来事というのは

公園でハンバーガーを食べていた女性が

背後からトビにハンバーガーを奪われ、頬に傷を負ったというもの。

 

ワタシは、幸い、頬に傷を負うことはなかったが

同じく、トビにハンバーガーを奪われたことがある。

 

あれは、忘れもしない今年の春の出来事(最近過ぎて当たり前)。

おいしいので有名なハンバーガー屋さんのハンバーガーを

夫と息子とワタシの3人で、初めて食べに行った時のことだった。

 

1時間半待ちでようやくお目当てのハンバーガーをゲットし

お店の前に広がる海辺に面した広場で食べることにした。

 

上空をトンビが旋回していたのはわかっていた。

だけどね、楽しみしていたハンバーガーを前に

おなかはもうペコペコだったのです。

トンビのことなど構っていられなかったのです。

だから、その辺の空いたベンチを陣取り

早々にハンバーガーにかぶりついたわけなのです。

 

一口食べて、そのおいしさに圧倒された。

これは、がつがつ食べてしまってはもったいない!

 

なので、味わいながら、ゆっくりと

噛みしめるように(比喩ではない)食べていたその時

ワタシの手にしていたハンバーガーが

突然、宙を舞い、足元に落っこちた。

 

その瞬間、何が起こったのか分からなかったよね。

ハンバーガーを持ってた手から

一瞬にしてハンバーガーがなくなった。

まるで神隠しのように(足元に転がってるって、、)

 

数秒たって、

あっ、トンビにハンバーガーを狙われたんだと気が付いた。

 

トンビに襲われたという怖さと

ハンバーガーを半分しか食べられなかった悔しさから

だんだんと冷静さを取り戻したワタシは

 

人間の手から

食べかけのハンバーガーを

相手(ワタシ)を傷つけることなく

奪うことのできたトンビの運動神経に

思わず唸っていた。。

 

トンビは、何も悪くない。。

人もトンビも、生きるために必死なのだと

転がったハンバーガーを拾い

妙に達観した気持ちになって家路に着いた。

 

そして、誓った。

あのハンバーガ

今度は、絶対、店内で食べよう。