いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「絶望の裁判所」瀬木比呂志

 

このところ、続けざまに、絶望的判決が続いている。

 

①6月20日

同性同士の結婚を認めないのは憲法違反だとして

国に損害賠償を求めた裁判

→合憲判断、賠償請求棄却(大阪地裁 土井文美裁判長)

 

②6月23日

深夜営業を取りやめたセブンイレブン元オーナーが

セブン本部に取引再開を求めた裁判

→原告敗訴(大阪地裁 横田昌紀裁判長)

 

③6月30日

性風俗業者がコロナ対策の国の持続化給付金支給対象外と

されたことは不当だとして国などを訴えた裁判

→原告敗訴(東京地裁 岡田幸人裁判長)

 

この本「絶望の裁判所」を読めば

この絶望的判決の理由がよく分かる。

 

なぜ、よく分かるのかと言えば

この本の著者は、元エリート裁判官だから。

日本の司法組織の現場で働き

現場を知り、現場を見た人が書いた本。

そして、本当にびっくりするくらい絶望する本。

 

それは、この国の裁判所で働く多くの人たちが

どちらの方向を見てジャッジし

何を考えて仕事をしているかということが

書かれているからだ。

 

今回の3件の裁判のように

弱者の視点を欠き

市井の人々の感覚と離れた

判決が出ることは

この本を読めば、ちっとも不思議ではなく

当たり前なのだと思って

またまた深く、この国に絶望してしまうのだが。。

 

さて、著者は

日本の裁判官たちのことを

こんな辛辣な言葉で表現している。

 

精神的「収容所群島」の囚人たち!!

 

そして、この囚人たち

収容所群島で権力闘争を繰り広げているとかで

本を読んでいる最中

本当に口があんぐりと開いてしまったくらいだ。。

 

絶望しきりの本であったが

読後、これまでとは違った視点を得られた。

それは、東京地裁、大阪地裁等の裁判長の

体制寄りの判決を下したその後の去就である。

 

その人が囚人か否かを知ることができれば

最高裁判所裁判官国民審査

きっと、面白くなるはずだ。