いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「非正規介護職員ヨボヨボ日記」真山剛

 

三五館シンシャのシリーズ本のひとつ。

 

このシリーズ本を新聞広告でよく見ていたけど

なかなか手を出せなかった。

 

このシリーズ本、なんたってタイトルがすごい。。

 

この本もそうだけど

「非正規」「介護」「ヨボヨボ」と

3つの強烈なキーワードを一つのタイトルに入れ

 

さらに、このタイトル文字をヨボヨボ感たっぷりの字体で書き

 

そして、極めつけは、ヨボヨボ感満載の絵である。

 

なんか、もう、それだけで

おなかいっぱいで

ちょっと切ない気持ちになってしまう。

 

だけど、このシリーズ本が、どんどん出版されるので

とうとう、思い切って、読んでみることにした。

そうしたら、これが、とても面白かった。

 

介護を受ける側のお年寄りの

エピソードも興味深く面白いが

何より、著者の語り口が軽妙で

それが、この本の大きな魅力だと思う。

 

50歳を過ぎて、介護業界に身を投じた著者。

介護職に就くまでのすったもんだと

介護の現場で起こっている

裏も表も事情をあけすけに書いている。

けれど、デリケートな問題は、上手にオブラートに包み

読者をいやな気持にさせない著者の繊細さを

本著のあちこちで感じた。

 

本来なら暗く重くなりがちなエピソードも

著者のユーモアたっぷりの文章で

ぐいぐい引き込まれた。

 

介護の現場は、よくマスコミでも取り上げられるし

介護業界のことを何となく知った気になっていたが

介護の現場で働いている人の目を耳を通して

語られた光景は、やっぱり、いろいろとすごすぎる。。

 

それでも、今日もまた、日本中で

介護の現場で働く人と

介護を受ける人がいて

世の中が動いているかと思うと

いかに生きるか

いかに死ぬかを

改めて考えさせてくれた本でもあった。