いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「コールセンターもしもし日記」吉川徹

 

30年ほど前の学生時代

電報受付のアルバイトをしたことがある。

 

お客さんと話しながら

パソコンで電文を入力する仕事。

 

24時間受付の電報センターで

夕方5時から夜10時まで

実労働4時間半、時給1000円で働いた。

 

当時としては、

時給もよく、待遇もよく

仕事も慣れてしまえば難しくもなく、忙しくもない。

お客さんのほとんどは

弔電か祝電の申し込みなので

ほぼ型通りの接客スタイル。

 

対面仕事や、即座の判断が苦手なワタシにとって

願ってもない仕事だった。

 

だからか、ワタシは

この仕事が学生時代のバイトでは一番長続きしたのだけれど

 

同じ時期にバイトを始めた人でも

すぐにやめていった人もいたし

アルバイトで、もう何年も働いている

主のようなおばさんもいた。

やはり、仕事も向き不向きがあると

思った仕事でもあった。

 

そのバイトは、電報を受け付けるだけなのだが

それでも、お客さんとのトラブルは

ときどき発生して、苦情が来ることがあったりして

あーー、いやなお客さんに当たったら

いやだなあと思うこともあったが。。

 

本著「コールセンターもしもし日記」を読んで

なまっちょろい自分に喝を入れたくなったよね。。

 

著者は、大学卒業後の就職先で

体を壊し、うつ病になり、離婚をし、もろもろを経て

コールセンターで働くことになったそうだ。

 

そのコールセンターで働いた

悲喜こもごもがつづられている。

 

電話をかけてくるお客さんとのすさまじい攻防戦

派遣元、派遣先の上司とのエピソード

同僚とのエピソードが

時には、滑稽に描かれていて

面白く読みながらも

その仕事の大変さと

働く人たちの我慢強さに本当に敬服であった。

 

だけど、本著の醍醐味は、やはり「日記」。

コールセンターの仕事の裏側を伝えながら

その仕事が、著者に影響を与え

著者が自分の人生を見つめていく。

 

働くとは、何ぞや。

仕事とは、何ぞや。

その問いが最初から最後まで貫かれていた。

 

読後、いろんなことを考えさせられた。