大学生のころ、学習塾で作文添削の短期アルバイトをしたことがあった。
その塾では、昼休みに、社員の人が、毎回何かしら差し入れをしてくれた。
その差し入れが、結構なボリュームで、バイト学生のリクエストに応えて買ってきてくれたりもして、貧乏学生のワタシにとっては、非常にありがたかった。
このバイトは、ランチを楽しみに働いてたと言ってもいいくらい。
さて、その日は、ケンタッキーの差し入れであった。当時、ワタシの田舎では、ケンタッキーのお店はなかったので、その時が、ワタシの記念すべき初ケンタッキーであった。
こ、これが、あ、あの、有名な、ケンタッキーか~。。
期待に胸膨らませると同時に
興奮を必死に抑えたのは
周りのバイトの子たちに
これが初めてのケンタッキーと、絶対に悟られてはならないという
10代女子のちっぽけなプライドである。
ワタシの目の前には、かの有名な
チキン、サンド、ビスケット、コールスローサラダがずらりとあった。
チキンを食べ、サンドを食べ、
あーー幸せだなあと、独り言ちていたところで
コールスローサラダを一口食べた。
えっ???
何、これ。。
ま、まずい。。
今まで食べたことのないキャベツと酸味の組み合わせ。
ワタシはおののいた。
そして、こんなの誰が食べんのよ~~と思って、周りを見れば
な、な、なんと、
ほかのバイトの子たちは、このサラダを、おいしそうに食べているではないか。。
やっぱり、田舎者のワタシには、都会の味は分からないのだと敗北感に打ちひしがれた、、そんな若き日の思い出である!?
その日以降
ワタシの苦手なモノは、コールスローサラダ。
ワタシの嫌いなモノは、コールスローサラダ。
と、まるで自分に言い聞かせるように過ごしていたら
コールスローサラダのことが頭から離れなくなっていた(バカ)
で、すっかり大人になったある日
リベンジマッチとばかりに、ひとりケンタッキーに挑むことにした。
「コールスローサラダを。。」と注文し
ドキドキしながら、食べてみたら。。
はっ?えっ?
お、おいしい。。
おいしいじゃないか!!!
なんで、これをまずいと思ってたんだ~~。。
ワタシの中の天と地がひっくり返った瞬間であった。
この瞬間以降
ワタシの好きなモノは、コールスローサラダ。
と頭の中で繰り返し唱えている(単純)
毎年、このクリスマスの時期
チキンと言えばケンタッキーのCMや広告を見るたびに
ケンタッキーと言えば、コールスローサラダでしょっ!!
と、ひとり突っ込みを入れている。