いのしし日記

ワタシノトリトメナイハナシ

それはデマだと言われても

「トイレットペーパーがなくなるというのはデマです」

近所のドラッグストアに行ったら、トイレットペーパーのコーナーにそう書かれた紙が貼られていた。

「トイレットペーパーの原料は石油ではありません。トイレットペーパーの在庫は十分にあります」とも。

1970年代に起きたオイルショックのとき、日本中でトイレットペーパーが品薄になったというのは有名な話。当時小さかったワタシはそのことは何も覚えていないが、あとから母にその話を聞いたり、大人になってテレビで流れる当時の映像を見たりしている。なので、デマだと知っている、デマだと分かっているはずだったのだ。けれど、ホルムズ海峡封鎖のニュースを知ると、即座にネットでトイレットペーパーを注文している自分がいた。トイレットペーパーがなくなるかもしれないという恐怖心はワタシの中にも脈々と受け継がれていたのであった。

2月28日、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃により、イランがホルムズ海峡を封鎖した。以降、日本には中東からの原油がほぼ入ってこない状況が続いている。日本は原油の90パーセント以上を中東に依存していることも今回改めて知った。70年代のオイルショック時は供給不安と価格高騰によるパニックだったけど、今回は供給不安どころか、現実に供給が途絶えている。国内に原油の備蓄があるとはいっても、底はすぐそこ。(洒落を言ってる場合じゃない)だから、今回のオイルショックは、70年代のオイルショックより絶対に深刻な事態だと思う。

トイレットペーパーの原料は木材や再生紙から作られているが、製造工程では原油を使った動力がいるだろうし、トイレットペーパーが包まれているビニール袋は、その名を知らぬものはいないほど今や有名になったあのナフサである。工場でトイレットペーパーが生産されたあと、小売店まで商品を運ぶための車は軽油やガソリンで動く。

そう思うと、トイレットペーパーがなくなるのはデマだと諭されても、素直に、はいそうですかと言える状況ではもはやない気がしている。