いのしし日記

ワタシノトリトメナイハナシ

門番

先日、夜8時ごろ、玄関チャイムがピンポンと鳴った。

インターホンのカメラを見ると

若い男の人がカメラに向かってお辞儀して立っている。

知らない人、明らかに営業っぽい。

こういう場合は、もちろん出ない。

 

朝8時、家の固定電話に見知らぬ番号から電話が入る。

登録していない電話番号はもちろんのこと

050

0120

0800

からかかってきた電話は、速攻ネットで調べて

怪しければ、すぐに着信拒否の登録。

 

これがすっかり定着してしまった。

 

インターホンのカメラで来訪者の姿が確認できるようになり

ナンバーディスプレイで相手方の電話番号が確認できるようになった。

いまや彼らは、我が家になくてはならない大変優秀な門番である。

 

ワタシが子どもの頃、住んでいたところはのんびりとした田舎町だった。

時代的にインターホンのカメラもなく、玄関チャイムもなかった。

そのうえ、家に鍵をかける習慣もなかった。

来訪者は、玄関をがらがらっと開けて

「ごめんくださ~い」と声を掛ける。

家にいるほうも、「は~い」と返事をして玄関に出る。

玄関に出て、初めて来訪者が誰なのかを知った。

 

来訪者のほとんどは知り合いだったけど

それでもたまに、どこからか営業マンがやってくることもあり

うまいこと追い返せる時もあれば

うまいこと言いくるめられて

母が何かしら買わされてしまうこともあった。

それほど悪質なものがなかったのは、今思えば幸いだった。

 

電話だってそうだ。

ナンバーディスプレイどころか、黒電話の時代。

電話がリンリンと鳴れば

無条件に「もしもし」と電話に出た。

出て初めて、相手が誰だか分かった。

 

昔は、出たとこ勝負だったのだなと思う。

玄関に出て、電話に出て、相手を知る。

そこから先は、自分の腕次第って感じ。

 

インターホンとナンバーディスプレイという優秀な門番のおかげで

無駄な勝負を避けられるようになってよかったなと思う一方

ときどき、日常の生活の場面においても

出たとこ勝負の勇気みたいなものが失われ

猜疑心の塊になっている自分にハタと気がついて

子ども時代が無性に懐かしくなっている、そんな今日この頃である。