いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

思考の素は、態度にあり!?

「家庭における最も効果的な不審者対策は、徹底した無視にある」
ここ数年、長いこと信じ続けていたこのことに
思わぬ伏兵があることに気がついたのは、つい最近のことだ。

まずは、電話。
これに関しては、無視がいちばんということに疑いはない。
知らない番号からの電話は、基本、出ない。
留守ボタンをピッと押して、相手の反応をうかがう。
ちゃんとメッセージを残してくれれば
不審者リストから除外。
たいていは、メッセージを残さず、その後も数回
かかってくるパターンが多い。
その度、何度も留守ボタンで対応し
それでも、あきらめずしつこくかかってくれば
着信拒否リストに登録する。
これにて完了だ。
大切な用件だったら、電話がつながらなければ
文書で送っていいわけだし、急な用件だったら
他にも連絡手段があるはず。。
知らない電話の対応は、まずは無視から。
これ、鉄則である。

電話がこの手法で功を奏していたので
不意の訪問客にも、この手を使い始めたのだが
ここに、とんでも伏兵が潜んでいた。
その伏兵とは、訪問客でなく、自分だったのである。

インターホンのモニターで訪問客を見定め
見るからに怪しい雰囲気を醸し出す訪問者を
無視する。つまり、居留守を使うのだ。
初めの頃は、すごすごと帰る
あやしげな営業や、売り込みの商売人の後ろ姿を
モニターで確認しながら
してやったり、と思っていたのだが
そんなことをしているうちに
あれっ、なんか、自分の態度がヘンでは?
と思いはじめたのだ。

ピンポーンとわが家のインターホンが鳴るたびに
ドキドキしている自分に。
そーっと、モニターを覗き込み
相手の様子をうかがう自分のほうが
まるで、あやしいじゃないのおーーーっと。

ここは、私の家なのよ。
どうして私が身を隠すようにこそこそしてて
不意の訪問客が、図々しくピンポンピンポンと
鳴らしてんのよ!!
なんでこっちが居留守がばれたらと
びくびくしなきゃなんないのよ!!

不審者対策とはいえ、居留守をとるという態度は
自然と息をひそませ、身構えてしまう。
その行為そのものの負のイメージに
私の思考がじわじわと浸食されているのだ。
悪いことも何にもしてないのに
逃げ隠れしているかのような居留守という行動が
まるで自分が悪いことをして逃亡しているかのような
気分にさせるのだ。
これは、まずい、まずすぎる。

そうそう、そもそも、なんでこっちが居留守を使わなきゃなんないのよ!
(不審者対策と銘打って始めたのは、自分なのにね。。)
態度が思考を形づくると分かった以上
今度は、それを逆に利用して
強い態度から、自分の思考を強く変えるのよ!!
よし、かかってこいやあ!!不意の訪問者!!

そうして、今日、
絶対に応答してやる!!と意気込んだのに
うちのインターホンは、一度も音を発することがなかった。
ちょっと、残念。。
いやいや、本当はこれがいちばんいいのだ。。。