いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

25年目の別れ

昨日の夕方のこと。
娘の制服にアイロンをかけていた。
コンセントにコードを差し込み、アイロンのスイッチをオン。
アイロン台に、夏服のセーラー服をさっと広げ
意気揚々と、アイロンを滑らせた。

あっ、あれ?
洗濯じわがいつまでたっても、とれない。
もっ、もしや。。
制服をさわってみる。
つっ、冷たい。
アイロンをさわってみる。
当然、冷たかった。

コンセントの入れ具合が悪かったのかと
もう一度差し込んでみる。でもダメ。
いや、コンセント自体が悪いのかも知れないわと
別のコンセントに差し込む。もちろんダメ。
コードをぐいぐい引っ張ってみる。ダメ。
今度は、ぐいぐい押しこんでみた。やっぱりダメ。

あーー、ついに寿命がきてしまったのね。。
1週間ほど前、その予兆があったんだよね。
あの時も昨日と同じように冷たかった。
そして、あの日も同じように
コンセントを差し替えたり、コードをぐいぐいと
やっているうちに、復活してくれたのだ。
あれは、命尽きる前の最後の輝きだったのかも知れない。

思えば、25年前の春。
大学入学の準備品に、母が買ってくれたのがこのアイロンだった。
東芝のスチームアイロン。
赤とピンクのいかにも女の子らしいデザインだった。

25年間、ずっと一緒にいてくれてありがとう。
父母より、夫より、子どもより
長い期間を、このアイロンと過ごしてきたのである。
感慨もひとしおだ。。
25年分のアイロンとの思い出に浸りそうになっていたところ

あっ、目の前には、しわくちゃのセーラー服が。
思い出に浸る間もなく、慌ててアイロンを買いに出かけたのであった。