いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

それは、内緒

今度の日曜日は、衆議院総選挙。
選挙と聞くと、私はいつも
亡くなった父のことを思い出す。

父は、選挙には、毎回必ず足を運んだ。
父は、学歴もなく、肉体労働で家族を養った。
父は、人生において、多くの場合弱い立場だった。
だからこそ、必ず、投票所に向かったのだろう。

子どものとき、政治や選挙について
よく分かっていなかった頃
選挙の投票は、立候補者の好き嫌いくらいに思っていた。

投票から帰ってきた父に
私はいつも同じことを尋ねた。
「ねえ、誰にいれたの?」

すると、父はいつも同じ返事をした。
「それは、内緒。
誰に投票したかは
家族にも言っちゃいけないんだ」

父は誰を支持していたんだろう。
どの政党に投票したんだろう。

父の変なこだわりを思い出して
いつも笑ってしまう。
けれど、そんな私も、実は、父の真似をしている。

今度の選挙の後も
子どもたちに「誰にいれたの?」と必ず聞かれるだろう。
そしたら、私は「それは、内緒」と必ず答えるだろう。