いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

禁字生活 6

1週間の禁字生活も無事終了した。

禁煙生活やダイエット生活とは違い、今回は有期生活。
ましてや短い期間である。
ゴールが一日一日と近づくたびに、これまでの生活を
そして自分自身のことを振り返る大切な時間となった。

ゴール後、活字に触れた瞬間、何を思うだろう。
活字の海の中に、思いっきりジャンプする自分を想像した。

そして、解禁日のおととい水曜日。
朝起きるとすぐに、新聞を読んだ。
頭のなかに霧がある、活字を解読できない。
まるで、しばらく入院し、ベットのうえで動けずにいたら、
あっという間に筋力が落ち、思い通りに歩けない、そんな感じだった。
そして、活字の海にジャンプしたはいいものの、そこで浮遊するしかなかった。
ゆらゆらゆら。
ひとたび波が高くなると、飲み込まれそうだった。
これまでの活字生活は、おそらく浮袋をつけ、波間に漂っていたのであった。
さいわい溺れることはなかったけれど
あっちへふらふら、こっちへよろよろ。

身につけていた浮袋とはなんだったのだろう。
経験から身につけた活字の海を漂う方法。
お粗末なそれだけに頼るのは、きわめて危なっかしい。
浮袋ではなく、海を渡る船を造らねばならない。
いや、海を見下ろす橋を架けなければならない。
その方法をこれから、探しに出かけよう。