いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

ゴム草履

「ほら、そこにゴム草履があったでしょ!!」
 私が放った一言に娘はポカンとした。
 そして、こう言った。
「ねえ、ゴム草履ってなーに?」

あら、まあ、「ゴム草履」なんて、今はもう言わないのね。
思わず口に出た自分自身に苦笑いしながら
ビーサンのことだよ」と言った。

しかし、ゴム草履の方がぴったりくると思いませーん?
物の形状と材質をそのまま言ってるんだもの。
「ゴム」+「草履」
日本語って、とてもよくできているなあと改めて感心した。

初めて聞く言葉でも
漢字それ自体が持つ意味から何となく分かることがある。
ひとつの文字から想像を巡らせることが可能な
漢字は、絵のようだと思う。
その漢字と、ひらがなとカタカナとを混合して
出来上がった「日本語」に幼い頃から慣れ親しんで
「日本人」ができあがる。

外国語を学ぶのは、その国の文化を知ることだという。
文化とは、その言語によって思考する民の生活様式
言語を学ぶとは、聞く、書く、話すだけではない
時には、思考や思想さえも揺さぶられるような経験なのだろう。

文科省が押し進める小学校からの英語教育。
社内公用語を英語にする日本の会社。
「できる大人」を演出するカタカナ語
日本に生まれながら
日本語を十分習得せず
日本人にさえなれていない民が
英語を学ぶ意味はどこにあるのだろう。
日本に生まれたからには
まずは、「日本人」になることだ。
「サンダル」ではなく、「草履」なのだ!!

英語教育ばかりに傾くこの国の政府は
果たして、本当に「日本」政府なのかと首を傾げたくなる。