いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

七夕かざり

毎年、この時期になると、息子がこども園から、七夕飾りのノルマを持ち帰る。
今年もとうとうそのノルマがやってきた。
今年の割当は、短冊2枚に、折り紙2枚、
薄い七夕飾りの用紙(あの紙の名称って何でしょ?)4枚である。

めんどくさがりの息子が、飾りを作る訳でもなく
中学生になった娘も、素知らぬ振りをして手伝ってくれない。
最近仕事で忙しい夫も当てにできない。
となれば、当然、それは主婦である私の仕事となる。
図工が苦手な、この私の仕事である。
図工が苦手な者にとって、こういうのって結構、負担なんだよねえ。
ほんと、ノルマ以外の何ものでもないわ!!と
心の中でぶつぶつ言いながら、とりあえず毎年こなしてきた。

今年、息子は年長さんなので、このノルマも今年までだ。
今まで、テキトウ過ぎた事を反省。
最後くらいは、ちゃんとしたものを作ろうと
ネットで七夕飾りを調べ、作り始めた。

紙を折り、はさみを入れ、形にしていく。
テキトウをちゃんとに変えてみる。
折った紙を広げて、形が出来上がる。
うわー、できたあと、妙にうれしくなった。
簡単な道具で、自分の手によって何かが出来上がっていく
のって、こんなに楽しかったのねえ。

そう言えば、不器用な私も、昔は、編み物をしていた。
それが、いつの間にか
大量生産社会の渦に飲まれ
買った方が安いじゃない、買った方がお得じゃない、
作ってもお金かかるし、時間もかかるし、
と手作りの楽しさからすっかり遠ざかっていた。

デジタル時代といわれて、ずいぶん久しくなった。
誰かが作ったものを、
時間をかけず、手間をかけず、即興的に
楽しめることが娯楽だと、これまた
誰かによって言い含められる時代だ。
つまり、自分の見知らぬ誰かによって
自分の時間を操作されることが
デジタル化の中で、いとも簡単になされる。

時には、デジタルの川の中に浮かぶ
アナログを拾い上げ、川岸に座って
じっくり時間をかけることで
自分の本当に楽しいことと時間を
見つけられるように思った。
そんな事を考えて作った、今年の七夕飾りは
いい出来映えだった。