父、66才。
1月1日生まれの66才。
ちょっとシャイな66才。
ちょっと気弱な66才。
お酒が飲めない、父。
甘い物が大好きな、父。
白髪がないのが自慢の、父。
子供好きの、父。
子供みたいな、父。
テレビが大好きな、父。
パチンコが大好きな、父。
ちょっとぼーっとしている、父。
不器用な、父。
母に叱られてばかりの、父。
だけど、母の料理が好きな、父。
8人兄弟の末っ子の、父。
3人の子供を育てた、父。
自分の腕で、自分の船で、母と一緒に、子供を育てた、父。
子供の頃、ちょっと気弱な父が、嫌いだった。
友達の、お父さんは、とっても男らしいのに
どうしてうちのお父さんは、ちっとも男らしくないんだろうと。
子供みたいに、こどもと一緒にテレビのチャンネル争い。
タバコをやめると言ってみては、外に出て、こっそり吸っている。
子供のおやつは、勝手に食べる。
子供とは、ちっとも遊んでくれない。
そんな父に、どれだけ、反抗し、いやなことばっかり言ってきただろう。
思春期のときなんて、今考えても、「なんてひどい娘なんだあーー」と
自分で思うくらい、ひどいことを言ったり、したりしてきた。
だけど、父に叱られたり、怒られたりした記憶はほとんどない。
記憶にあるのは、悲しい目をして黙っている父の顔だ。
娘を叱らない父親を、「まったく気が小さいんだから、、」と
自分のことは棚に上げて。
私も、年を重ね、父も当然、年を重ね、
やっと、素直に父の存在に「ありがとう」と思えるようになってきた。
娘を叱らなかった父は、気が小さい父ではなく、
優しい父だったんだと、それが、父の愛情だったんだと、
それが、不器用な父の最大の愛情表現だったんじゃないかと
ようやく、ホントにようやく気づいてきたばかりだった。
今、父、闘病中。
早く目を覚まして。
まだまだ、たくさんたくさん、あなたに「ありがとう」を
言わなきゃいけないんだから。。