いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

ガスコンロ

4才の息子は、ちび設計士である。
30センチ物差しと鉛筆を手に、真っ白な紙に
家の平面図や立面図らしきものを描く。
描く家は決まって、わが家なんだけど。

紙一面に描かれた真四角の箱の中に
玄関ドアのデザインや、床板の模様(杉の節目です)、
トイレらしき小さな箱。
そして必ず、ガスコンロを描く。

ガスコンロ。
この家を建てるとき、私が譲らなかったもの。
「今どきガスを使う人、珍しいですよーーー。」
火を使うから火事の危険があるだの、コストがかかるだの
周りからいろいろと耳打ちされたが、結局譲らなかった。
なぜって??
調理するのは、絶対「火」でしょ!と思ったから。
料理にこだわりがあるわけでもなく、腕に自信などない。
ただ、料理の場に「火」があることは
私にとって理屈や理論などなく、当然あってしかるべきものというだけだ。
電磁調理器とガスを比べた結果という訳でもない。
家の中に、トイレやお風呂が必ずあるのと
ガスコンロが存在するのとは、私にとっては同じ意味なのである。

だから、息子が描いた家の中にガスコンロを見つけたとき
「やった!!」と心の中でガッツポーズをした。
母のごはんとガスの「火」が彼の中で
イメージとして結びついてくれたことは
目に見える「火」で調理することを譲らなかった
私の勝利であるのだ。