いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

のり塩味

長いこと、私の中でのいちばんは、コンソメ味だった。
ポテトチップスの話である。

カルビーからジャガイモが擬人化された絵の
赤い袋のポテトチップスが発売されたとき
みんなが食べてるのを目にしながら
小学生の頃(たぶん)の私には
そのおいしさがいまいちピンと来なかった。

ところが、ところがである。
次に発売された、コンソメ味に私は絶句したのだ。
なに、この味!!このおいしさ!!
ポテトチップスってこんなにおいしかったの!!
まさしくコンソメパンチ味である。
味のネーミングさえ、絶妙すぎて恐れ入るくらいだ。
あれから、私は大小織り交ぜ
いったい幾袋のコンソメパンチ味のポテチを
胃袋におさめてきただろうか。

私のこの体に鎮座する脂肪細胞の数パーセントは
まちがいなくコンソメパンチ味のポテトチップスでできているはずである。

あれから幾星霜。
もうすっかり大人になった私は(大人というより、中年。。)
こどもの頃ほど、ポテチを食する機会が減った。
それでも、食べるとすれば、必ずコンソメパンチ味。
不動の一位だと思っていたのに。。。

先日、娘がポテトチップスを買って帰ってきた。
それも、カルビーではなく、コイケヤ
そして、コンソメ味ではなく、のり塩味。

ねえ、ねえ、ポテチと言えば、コンソメでしょ!?
なんでそんな邪道なもの買ってくんのよ!!
と心の中で、娘に毒づく母。
コンソメ信奉者にとって、のり塩味など論外なのだ。

しかし、娘がおいしそうに食べる姿と
スナック菓子のアミノ酸のにおいにすぐに屈服してしまう私。
「ねえ、ちょっと食べていい?」と娘にお願いするのである。
(なんという、節操のなさ。コンソメパンチ味さまに
あわせる顔がない。。。)

口にいれた瞬間、驚いた。
「えー、のり塩味ってこんなにおいしかったの!!
コイケヤのポテチってこんなにおいしかったの!!」
私は、数十年のコンソメ信仰をあっさり捨て
寝返るのである。

今の私は、コイケヤのポテチの「のり塩味」に夢中。
そして、子どもの頃のようにポテチ熱に浮かされている。
胃袋には、幾袋ののり塩味のポテチが吸収されていっただろう。
今、私の脂肪細胞の数パーセントは、確実に
のり塩味のポテトチップスでできているはずである。