いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

流れにのる

毎朝、息子をこども園まで車で送る。
園までの道のりは、自宅から国道にいったん出て
途中の交差点で左折して、その後直進、というルート。

今朝も当然ながら、その道を通るつもりで
行ってきます、と家を出た。
片道2車線の国道を途中まで右側を走っていた。
いつもなら、交差点手前ですんなり左車線へと入れるのだが
今日は、そのタイミングがなかなかとれず
交差点を通り過ぎてしまった。

意図せずして、別のルートを走るのは、初めてかもしれない。
交差点を通り過ぎた途端、息子が
「あーー!!」と叫び声をあげる。
けれど、「あっ、こっちが近道なんだよ!」というのだ。
以前、夫が息子を園へ送ったときに
この道を通ったらしい。

確かに息子の言うとおり。
先の交差点を左に曲がると
その道は信号も、車も少なく
いつもの道より断然スイスイ進んだ。
普段より、快適に運転でき
おまけに早く園に到着して、とってもラッキーだった。

若い時は、自分の思い描いたとおりに
物事が進まないことに、極端に反応した。
やきもきしたり、すべてが不運に思えたり。
自分が選んだ道以外を進めなかった不快感。
進ませてもらえなかったという他罰感。
簡単にイヤな気持ちを作り出せる
得意技を持っていた。

それからずいぶん年月がたった。
自分の思い通りにならないことが
どれほどの確率で起こるかということも
わかってきたし、
逆にまた、自分の思いがすべてよいわけではないことも
経験上わかるようになる。
思い通りに予定通りに期待通りにならない現状を受け止め
流れに逆らわず、流されて
流された先に、自分の力ではない何かが
働いているのだなあと感じたとき
年を取って、おばさんになってよかったなあと
ときどき思うのである。