いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

食べさせなきゃ!

週末には、ほぼ一日中キッチンに立っている。
朝、昼、夜と、三食分の準備に後片付け。
一日があっという間に過ぎて行く。

そうして、一日が終わり、キッチンをかたづけながら
ホッとして、満足感に浸る。
あー、今日も一日、こどもたちに食べさせることができた、と。

「こどもに食べさせるために。」
仕事をしていた頃、そう思って働きながら
週末に、三食つくって「食べさせる」ということが苦痛でならなかった。
「働いてるんだから、ママだって、休みの日くらい、ゆっくりしたいのよ。。」
心の中で、何度もつぶやいていた。

こどもたちが育つためには、まずなんとしても
体を育てなければならない。
それには、文字通り、食べ物を食べさせなければならないのだ。
それなのに、あの頃の私は、こどもたちに
何を「食べさせて」いたのだろうか。
何を「食べさせよう」としていたのだろうか。

休日だから、どこかに連れて行ってあげたい。
休日だから、外食でもしたい。
休日だし、時間もあるから、習い事をさせたい。
まとまった休みには、旅行にも行きたい。。
だから、休日にごはんを作って食べるなんて
時間がもったいない。
なんて、本末転倒な!!

「食べさせなきゃ!」と働きながら
私が、こどもたちにせっせと食べさせていたものは
実は、「食物」ではなく「お金」だったのではないかと
ハッとした。

働いていたあの頃と比べると
外食は減ったし、旅行に行く回数も減った。
けれど、その分、こどもたちの口に
ちゃんと、食物を「食べさせる」ことができている。

休日にキッチンに立つこと、これが今の私の小さな誇りである。
「食べさせなきゃ!」
そのために、ここに、私があるのである。