いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

田舎くささとプロ意識

私が、今住んでいる市は
県内では、中規模程度の街である。
そして、人口減少が続く県内において
唯一人口がどんどん増えている街でもある。

10年前にこの街に引っ越してきた。
この10年の間に
田畑はどんどん減り
跡地には、どんどん住宅が建った。
近隣の小学校も中学校も
俗にいうマンモス校
1000人弱の学校規模である。

若い人がどんどん流入
少子化なんて嘘のように
3人、4人兄弟がざらにいるし
そこかしこに子どもの姿を見かける。
子どもむけの商売は繁盛するらしく
塾や習い事の乱立も甚だしい限りである。

人口増加により、街もそれなりに
便利になったように思う。

たった10年で、街は大きく変わってきた。
というのに、街の空気は、全く変わらない。
「田舎くっさーーーーい」のだ。

この田舎くささはどこからくるのか。
私は、長らく考えている。
若い人が増え、活気があってもよいはずなのに
どうしてこうも、田舎くっさーーーーーいのか。
この疑問がなかなか解決せず
「なんでなんだろう、どうしてなんだろう」と
気づけば、考えを巡らせているのだ。

そうして、私が今のところ考えついた理由。
まず、その1 大学がない。
これって、結構大きいのではないかと思う。
大学という高等教育機関
街の文化的資質を多いに高める。
大学の存在に伴って
それに見合う文化的施設も
充実してくる。
そして、なにより
学びの意識を持った若い人の活力は
(そうではない人も中にはいるだろうけど。。)
街全体に学問の香りをもたらし
田舎臭さを吹き飛ばしてくれる。

その2 街路樹が落葉樹である。
通りという通りの街路樹が
なぜかイチョウである。
秋は、そりゃあ、きれいだよ。
黄色、いや金色に輝くイチョウ並木は
それは、それは、優雅だよ。
だけど、それは、ほんの一瞬のことである。
落葉してしまえば、はげぼうず。
街に北風が吹き抜けるのが見えるんだから。
北風にのって田舎臭さが漂ってくる。

それでは、物質的に満たされれば、果たして
田舎臭さは、ぬけるんだろうか。
そう自問自答していて、あっ!!と思った。

そうだ、この街の田舎臭さは
物質的なものではない。
人の空気だ。

ここに引っ越してきたとき
この街の人は、何ゆえにこんなに
不機嫌な顔をしているのだろうか
ずっと思ってきた。

特に地元のスーパーやレストランの
店員さんは、やたらめたらに無愛想で、
いつしか私は、チェーン店のマニュアル化された
サービスを求めるようになった。
地元に愛される、、などと
形容されそうなお店には
足が向かなくなった。

他人に対して、不機嫌な顔を見せることができる。
これこそが、主たる田舎臭さの原因では無いだろうか。
都会へ行けば行くほど
サービスは、究極を求めて
満足度をいかに高められるかを追求していく。

ディズニーリゾートで不機嫌な顔したスタッフなんて
見たことないもの。
ディズニーとまではいかなくても
ちょっとした街のお店では
多くの店員さんが、高い確率で
満足度の高い接客をしてくれる。

ところが、ここ、私が住む町は
かなり高い確率で、不誠実な接客態度の
店員に出くわす。
もしかして、ここにはまだ、資本主義は
導入されていないのか?と
見まがうほどに。

そうして、私の中で、ひとつ結論が出た。

「プロ意識」

これこそが、田舎臭さを
脱臭するための、強力な手段に違いない!!