いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

応援団に感動す

娘の通う高校には、応援部がある。
学ランを着て、頭にはちまき
旗を振り、太鼓を叩き、笛を合図に
つぶれた声で応援をする
昔ながらの「ザ・応援団」である。

各種部活動の応援はもちろんのこと
大会の壮行式、入学式に卒業式
センター試験の出発日にと
活躍の場は幅広い。

私が初めて、その応援団を目にしたのは
娘が中3の頃、その学校の入試説明会に
一緒に参加したときのことである。

会場の舞台で
しわがれた声で形式美を披露する高校生たち。
初めて目にした昔ながらの応援団に
涙が出そうになるほど
なぜか心揺さぶられた。

こんなすばらしい応援部が続いている学校は
きっと、いい学校に違いない。。
その時、私は娘がこの学校に入学できたらいいなあと思っている隣で
おそらく娘もまた、この学校に入学したいなあと思ったのだろう。
その年4月、娘は無事入学した。
入学式当日、あの時の応援団は、舞台上で再び
新入生を応援してくれた。
私の心は、初めてのときと同じように震えた。
応援してくれる彼らに、胸打たれた。

あなたの人生に直接携わることはできないけれど
あなたのことを応援したいという思いを
遠くから、形にのせ、声にのせて、力の限りに送る。

「あなたの味方だから」という人がいる。
「あなたを応援している」という人がいる。

人は、根本的に一人で生きていかねばならない。
そのためには、「味方」は、常に近くで寄り添い、励ましてくれる
心強い存在のように思えるけれど
自分の力で人生を前にすすめるためには
物理的な関係性の距離を保ちながらも
見守ってくれている、祈ってくれている、エールを送ってくれていると
感じられる存在がなにより必要だ。

その存在の誠実な営みを応援団の中にみるとき
心が打ち震えるのだろう。