いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

共感の先に

先日終了したNHKドラマ「透明なゆりかご」。
毎回、ぐらぐらと心を揺さぶられた。

女だから分かること
子どもを生んだから分かること
働いていたから分かること
思いを重ね合わせることが
あまりにも多すぎて
これでもかというほど
胸打たれることでいっぱいだった。

ドラマの中では
子どもが欲しくても恵まれなかった人
望まぬ妊娠をしてしまう人
産みたくても産めなかった人たちや
配偶者をなくす人、自身も命を落とす人など
いろいろな事情を抱えたひとたちが描かれている。

私は、結婚し、夫がいて、子どもがいる。
自分と同じ立場の人への共感の度合いは割と容易いが
自分とは異なる境遇への共感度合いは
それには劣ってしまうだろう。

それでも、登場人物の誰もに
どこか共感し、涙するのは
命を育むことができる女性という性が
関係しているようにも思える。
子どもを産んだとか産んでないとかとは関係なく
同じ悩みを抱えたらという想像力が
人への共感を呼び起こす。

だけど、思う。
どんなに共感したところで
本当のところは、当人にしか分からない。
たとえ似たような立場でも
全く逆の立場だったとしても
人それぞれ、感じ方や考え方があり
これはこうだと断定することなどできっこない。

けれども、逆にまた思う。
もし、できることがあるとすれば
ただ静かに共感することだけかもしれない。
共感することが相手への理解へとつながっていく。
そう信じたい。