いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

朝ドラのお母さん

10月から始まった朝ドラ「まんぷく
あ〜、また、王道に戻ったか〜と思って
期待せずに見始めた。

なぜって!?
それは、前回までの「半分、青い」が
朝ドラとしては型破りな脚本だったからだ。

しかし、先日、あっと気がついてしまった。
実は「まんぷく」は
これまでの定番路線でないと。

主人公は、明るく前向きな女性で
紆余曲折はありながらも
いわゆる成功物語。
ハッピーエンドで幕を閉じることは
あらかじめ想像できる点では
これまでの朝ドラとなんら変わらないだろう。

では、いったい何が違うの?

それは、ねっ、
松坂慶子演じる、母親像である。

朝ドラの母親といえば
主人公の女性を優しく温かく
時には厳しく支える
母親のお手本のような母親像が描かれる。

ところが、今回の主人公の母は
自分が一番!!というような
娘的な母親なのである。

気に入らないことがあると
すねたり、駄々をこねたり
まるで子どものよう。
思い通りにならないと子どもを困らせ
そんな母を子どもたちが
「もう、しかたないな〜」と面倒を見る。

私は、この母親像を見て
なんだかとてもホッとしているのだ。
いい母親には、ほど遠く
自己中心的な考えはなかなかなおらず
いまだに、駄々をこねたり、すねたりするし。。

自分の母親だって
かなりの自己チューで
自分のために子どもがいるというような
考えの持ち主である。

陰になり日向になって
子どもを守り育てる
朝ドラで描かれる母親像に
母親とはああでなければならないと
知らず知らずに刷り込まれ
そんな母親像とはほど遠い
言動をするたびに
落ち込む自分がいた。

これまで朝ドラを見るたびに
私はあんな母親には到底なれないという絶望感と
私の母が、あんな母親ならよかったのにという羨望感に
無意識に苦しめられていたことに気がついた。

これに気づいてから
松坂慶子演じるすずさんに自分を重ね合わせるという
今までにない朝ドラの楽しみ方をしている。