１０年前、この街に来た時
なんとも言えない違和感があった。
なんだ、この街？？？？？
だって、多くの人が不機嫌な顔して歩いているのだ。
にこりともしない。挨拶もしないのだ。
街中を歩いていると、高い確率で人とぶつかりそうになる。
以前住んでいたところでは、これほど多くはなかったのにと
これって何なのと考えてみると
この街の人たちの多くが道を譲ることをしないのだということに気がついた。
車を運転していると、中央線のない道路で、思い切り突っ込んでくる車に出くわす。
以前住んでいたところでは、これほど多くはなかったのにと
これって何なのと考えてみると
この街の人たちが、常に戦闘状態なのだと気がついた。
この街の人の顔に、こう書いてあるのだ。
「相手は敵だ。なめられてはならない。そうでなければ、オレがやられてしまう。だから、やっつけろと」と。
そうか！！！！
この街の違和感の原因がやっとわかった。
ここは、自衛隊の街だからだ。
陸上、航空の部隊があるこの街には
自衛隊員及び自衛隊員家族が多く住む。
自衛隊って、そろそろ軍隊にされそうな組織なんだもの。
集団的自衛権のために、アメリカの後ろで闘うことを強いられるんだから。
もうすぐ、ホルムズ海峡にさえ派遣されそうなんだから。
いやだなんて絶対言えない上意下達の縦社会。
自由意志を持てない仕事をしている人たちが
機嫌良く人生を過ごせるわけなどないではないか。
不機嫌は伝染する。
お父さんやお母さんが自衛隊員で
不機嫌な顔をしていれば、子どもたちに不機嫌が伝染する。
自衛隊員が、道を譲らず、あいさつせず、不機嫌な顔で街を歩けば
自衛隊員でない住民たちに、どんどん不機嫌が伝染する。
不機嫌な街。自衛隊の街。
この街には競艇がある。
この小さな街に大きなパチンコ屋が多い。
この街には煙草を吸う人が多い。
この街には、大きくて燃費の悪そうな車に乗っている若い人が多い。
自由意志と引き換えにもらった給料が
大企業と依存症ビジネスに吸い取られていく構図で成り立つ街。
不機嫌な街。自衛隊の街。
そして、思う。
この不機嫌な人たちは、この参議院議員選挙で一体どこに投票するのだろう。
まさか、自民党に投票するなんてこと。。まさかね。
だって、人が殺し殺されるところに送り込まれることを
自ら望むなんてこと、まさか、まさかね。
不機嫌な街。自衛隊の街。
