いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

時間泥棒

長女が大学生となり家を出てから
子育てを振り返ってばかりいる。

娘のためによかれと思ってしてきたことが
本当にこれでよかったのか。
過ぎたときを取り戻すことができないのに
延々と思い悩んでいる。

いつも思い悩むことは
彼女の子ども時代を奪ってしまったのではないかということ。
私は娘の時間を奪ったのではないか。
彼女の時間を盗んだのではないか。
私は、時間泥棒だったのではないか。

娘に何か一つでも人に負けない自信の持てるものをと思い
彼女が得意だった水泳に目をつけ
小学校高学年からスイミングスクールの選手コースに通わせたこと。
大学で学んでほしいと
高校は進学校への入学を勧め、勉強漬けの3年間を過ごさせたこと。
成長期の大事な10年間を私は彼女から奪ったのではないか。

もし違う選択をしていたら。。
彼女の並行世界を想像してしまう。

娘は、どんな子ども時代を望んでいたのだろう。
私は、娘がしたいことをしたいと思うときまで
どうして待てなかったのだろう。

二度と戻らない彼女の貴重な子ども時代を
私はもう娘に返すことができない。

子ども時代はあっという間だというのに
子育てをしている時、そのことに気付かなかった自分を恥じる。
子育ては待つことにほかならない。

今年、娘は二十歳になる。