洗濯機の側面に何か書いてある。
「耐用年数7年」
最近の家電には、耐用年数が記されている。
そして、耐用年数を過ぎてしまうと
様々な不具合が起こる可能性を前もって
示してある。
形あるものは、いつか壊れる。
人間だって、いつかは死ぬんだもの。
永遠に存在するものなどない。
恵まれた環境にいると、その当然のことが
当然でなくなる。
恵まれたことが当たり前になる。
住むところ、着るもの、食べるものが
きちんと備えられ、美容と健康までも
お金で買うことができる。
意識下で自然を支配することができると
感じてしまう。
人は、健康で若々しくいつまでも生きることが
できると思ってしまうこともある。
アンチエイジングや過度な医療介入は
その最たるものである。
老いること、老朽化すること
この当然の帰着を受け入れないとすれば
人は不幸になる。
責任を転嫁し、他罰的になる。
自己を省みず、自然を忘れ
自我を無秩序に放出する。
洗濯機をながめて
時々自分を戒める。