時々、言葉に出会ってドキッとすることがある。
それは、意図して得ようとした言葉ではなく
意図して伝えようとした言葉でもない。
それなのに、はっきりと分かる。
頭ではなく、体が呼応する。
「珠玉のことば」
発する人は、聖人や偉人とは限らない。
市井の人が放つ言葉だったりする。
難しい言葉でなく、見るからに聞くからに
実にシンプルだ。
だからこそ、それが真実の言葉だとわかる。
先日も、そんな言葉と出会った。
平日3時頃、息子とバスで出かけた。
帰りのバスを待っているとき、同じバスを待つ
おばあさんに話しかけられた。
子どもを連れていると、話のきっかけは
子どものことだ。
子どもの存在はそれだけで、すばらしい。。
話は、おばあさんの家族の話題となり
おばあさんは、数ヶ月前最愛の息子に先立たれた。
悲嘆にくれる姿も見せず、明るく話すおばあさんの
最後の言葉は、なんと
「ご主人を大事になさいよ!!」
子どもではない。
夫なのだ。
それは、このおばあさんが70数年生きた中で
達した結論なのだろう。
世の中いろんな言葉が飛び交っている。
その中にいったいどれほど真実の言葉があるのだろう。
時に自分に向けて発せられるその言葉に出会えることほど
うれしいことはない。