いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

晴れ女伝説

晴れ女とか晴れ男とかいうあれは
天狗とか河童とか
ドラゴンとかペガサスとか
そういうたぐいのものだと思っていた。
つまり「んっなもん、いるわけないじゃん!!」

でも、どうもいるようなのだ。
それも、すぐ近くに。
それは、私の娘。

彼女が出かけるときは、よく晴れる。
そのことをあまり気にしたことはなかったが
本人が突然自分のことを
「晴れ女かもしれない」といいだした。

最初は、「まあ、世界は自分中心に回ってると思ってるのね〜」と
自己チュー呼ばわりしていたのだが
どうもこれが、偶然とは思えなくなった。

前日までの大雨が
娘が出かける当日には、ぴたりとやむ。
出かける直前まで降っていた雨が
娘が外に出た途端、晴れ間がのぞく。
こういうことが
偶然とは思えないほどある、ある、あるのだ。

そして、私はハッと気がついた。
私たちの結婚式当日のことだ。
朝までしとしと降っていた雨が
式と披露宴のときだけは、ぴたっとやみ
秋晴れの真っ青な空に変わったのだ。
そして、式の翌日は大嵐になった。
そのとき、娘は私のおなかの中にいたのだった。

「もしや、こいつ、本当に晴れ女では!?」

以来、私は、出がけに娘が傘を忘れても
気をもむことがなくなったのである。