いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「半沢直樹1 オレ達バブル入行組」 池井戸潤

 

大ヒットドラマ「半沢直樹」の原作本を

今更だけれど、読んでみた。

ドラマを見ていただけに、本を読めば、映像がよみがえった。

ドラマを見たときは、大げさだなと思っていたが

全然そんなことはなかった。

銀行業界、金にまつわる人間模様

そして、銀行員のいやらしさがこれでもかこれでもかと

随所に描かれていた。

 

今、既存の銀行経営が厳しい状況となっている。

たとえ誇張であろうとも、多かれ少なかれ

この小説の中身は、銀行業界の実態であろう。

企業努力を忘れ、銀行の社会的役割を顧みず

内部の権力争いに終始する銀行員たちの姿からすれば

既存の銀行の没落は、当然のことと思えるし

銀行が社会や人間をゆがめる存在となっていることは確かだ。

 

銀行のシステムの中で繰り広げられる

銀行員の醜い権力争いが

エンターテイメントなること自体が

旧態依然とした銀行の終わりの始まりに思える。