いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

自制のかがやき

今日も、朝の連続テレビ小説「おひさま」を見て涙してしまった。

このドラマに惹かれる理由ってなんだろう?
決して幸せとはいえない時代背景が、どうして幸せそうに見えるのだろう?
そんなことを、いつもながら、つらつらと考えていた。

そうだ、このドラマはなんだか美しいのだなあ、、
人の心が、美しいのだなあ。
人を思いやる心がきれいなのだなあ。
どうしてその心が美しいのか。
それは、みんなそれぞれが「自制」しているからである。
外界に起こる事柄に過剰に反応することなく、内省しながら生きている。
主義主張を貫かず、けれど、どうあるべきかをそれぞれが知っている。
そう、つまり、人として美しく正しいあり方が描かれているのだ。
だから、当然、このドラマは幸せに感じられるのである。

そうか、正しいことは美しいこと。
なにが正しいかを知りたければ、それが美しいかどうかがひとつの判断基準だ。
そう思って、世の中見渡してみる。

うわーーー、目につくのは、美しくないことばかり。

権力争いの政治家に、拝金主義に、差別的雇用。
手当搾取のための偽の離婚に、親の年金欲しさの死亡の不届。
根拠のない安全宣言の原発に、便利を追求しすぎた現代人。
老成しない老人に、傍若無人な中学生。
医者の臓器売買に、我が子の虐待。
プライドを捨てる生産者に、それに踊らされる消費者。
個人主義の名の下の無個性主義。
モンスターと呼ばれる、権利主張過剰の人々。

だから、東北の被災者の姿が感動をよんでいるのだ。
正しいことは、美しいこと。
正しいことにしか、心は反応しないのだ。