「再婚生活」とのタイトルゆえ
著者の夫「王子」とのエピソードが多数でてくるけれど
全般にわたって、著者がうつ病と向き合う日々がつづられている。
ままならない心と体に振り回されながら
それでも仕事をし、食べて、寝るという著者の毎日のくらし。
うつ病というつらい時期で、本当はすごく苦しいはずなのに
読者にそれを重たく感じさせないどころか
くすっと笑わせさえしてしまう。
日記に出てくる人たちを
「王子」「マシマロ」「リンダ」「ダブルミッチー」「トリガエル」などと
名づけるユーモアセンスと軽い語り口は、読者を楽しませてくれるが
闘病生活の中、自身を楽しませる術だったのかなあと余計なことまで考えてしまった。
生活するとは、食べる、寝る、働くことなんだと当たり前のことに気づく。
そして、その当たり前のことが、大切で愛おしくて、なぜか切ない。