いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

ただほど高いものはない!?

「えー、なんなの、これ

1年ほど前、i-phoneを手に入れ、しばらくは
楽しくて、よく手にしていたのに
これにすっかり飽きてしまった私は、この数ヶ月、ほとんど手にしていない
手にすると言えば、主人からの電話と、パソコンでの同期作業くらいの
ものである

それなのに、今月、パケット通信料を請求されていた。
いったい、これはどういうことなの??

私が知りたいことは、ただひとつ。
「通信をした記憶がないのに通信料が課金されている。
 課金するからには、請求金額の正当な根拠があるはず。
 それを提示してほしい。」 以上。

けれど、そのことを2日間にわたり、のべ5人の
お客様センターの係の人と話したけれど、全く通じない

会社側の言い分は、一貫して、以下のとおり。

「使った記憶がなくても、i-phoneは、なんらかの操作で
 その意図がなくても通信をする可能性がある。会社のシステムには
 いっさいトラブルはないので、契約者は、通信したことになっている。
 けれど、その通信の詳細なデータはない。しかし、これは正当な請求である。」以上

私が求めているもの。それは、覚えがないことに対して請求されているので、その請求の根拠である。
しかし、会社側が言うには、そのデータはない、それは、契約者が管理するべきデータだ。
会社のシステムには問題ないのだから、これは、正当な請求である。

こちらの言い分がちっとも通じないことに、かなりイライラした。
最後にはもう、いったいこれは、なんなんだ。もういい

これはいったいどういうことなのだ??と考えていたら、
数年前のあの事件の当事者と、今の私がちょっとオーバーラップした。

耐震構造を偽造されたマンションを購入した当事者たちと
i-phoneを手に入れた私。

私はあの事件の報道をテレビで見て、なんとも言えない違和感を覚えたことを思い出した。
購入者は、確かに、耐震構造の不適格なマンションであることを知らずに
買ったのだと思う。けれど、販売者は、構造上欠陥があるマンションを相場の値で売ることは
しなかったと思う。きっと近辺のマンションより安かったはずだ。
安く売るために、偽造したのだから。
つまり、安いからには、何らかの理由があるのでは、と考えることに
目をつぶって買った人たちが、まるで、正当な金額でそれを手に入れたかのように
全くの善意の第三者であるかのように、振る舞っているあの姿が。
なんだかどこか、おかしいぞ、と。そんな感じの違和感だった。

「i-phoneがただで」と
喜び勇んで、契約した1年前の私。
携帯電話会社の通信料課金の不透明さは
知っていたけれど、「ただ」ということ、それだけでよく考えずに
契約をした私。
そして今、課金システムに納得がいかないと腹を立てている私。

「なんだかあやしいかも」そう思いながら契約をしたのに
実際、その怪しいことが白日の下にさらされたとき、
「そんなことは知らなかった」と落ち度のない被害者を「装って」いるような
気がしたのだ。

会社は、「金儲け」を「善」としているからこそ存在しているのだと思う。
けれど、言うところのその「善」であるという、その判断は、「法に照らして」
というところなのだと思う。だから、その「善」を正当化するための「合法」で
あるために、あのマンション販売の関係会社は、偽造し、隠さなければならなかった。
つまり、会社にとっての「善」は「倫理」ではないのである。

対して、ごく「普通」の購入者、ユーザーの「善」の判断は「倫理」なのだと思う。
けれど、ユーザーは、この会社側の論理を知っている。
ここ数年、「安く売る」ために、あらゆる会社が、あらゆる手を使っていることが
合法、違法を問わず、ずいぶん明らかになってきたのだし。
その可能性があることを知っていて、会社に近づいたのは自分であったのに、
その会社に対して、「倫理」に基づいて主張をするということが
なんだか嘘っぽい感じがしてきたのである。

「なんだかあやしい。」
そう思ったら、近づかなければよい。
そこに目をつむって、いいとこどりをしようとした。
私は、バチが当たったのだと思う。
そう思うと、なんだかおかしくて、笑いたくなってきた

あーあー、なんだか、いい加減な世の中なのだなあ。。と