いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

小さな反抗心 保険編

「保険に、はいりませんか??」
しばらく前、いつも配達してくれる生協の人からの
保険加入のお誘いがあった。

こどもの保険。
月々1000円の掛金で、けがをしたら、通院でも
保険が出るとのこと。
娘も、息子も、これからますます、けがが増えてくるのは
目に見えている
そうねえ、入っておいた方がいいのかしら

そんなことを考えていた矢先の週末の金曜日、娘が学校でけがをした
週末、学校から持ち帰る荷物の多い金曜日。
帰りの会が終わった後、両手に荷物を抱えた娘は
友達を追いかけていたらしい。
そしてつまづいた
手は、荷物でふさがっている。
彼女は、顔から突っ込んだようだ

さいわい、けがはたいしたことなく、左目のまわりの
打撲と擦り傷で数日の通院で済んだ

そのとき、わたしは、ふと思った。
ああ、こんなとき、あの保険に入っているといいんだなあ、、
そして、そんなことを思った自分にちょっとドキリとした

私は、いま、娘のけがを、金銭で計算しようとしている。
けががないことが一番であることがわかっていながら、
それを勘定して、得することを考えている。
万が一のための保険が、これならば千が一、百が一でも
大丈夫と思ってしまいそう

我ながら、あぜんとした
これがモラルリスクというもうのであろう
わあー、やだ、やだ。
そんな考えが浮かんだ時点でアウトです
子どものけがは、親が責任とらなきゃ
千が一、百が一になるリスクをとるより、保険に入らないほうがよろしい
そう結論が出た。

もともと、保険の仕組みというものが好きではないと言ってたのに。。
あーあー、なんて情けない。目先のことにとらわれるなんて
まるでサルじゃなーーい
そんなふうにちょっと落ち込んだりした。

保険は、相互扶助の精神で発展してきたものだろうと思う。
ところが、今はどうだろう。
「相互扶助の精神」などというものは、世間から、とうに消え失せ
自分さえよければいい、という風潮が強いこの世の中。
相互扶助の精神のないところに、そのシステムだけはしつこく
残そうとして、矛盾に矛盾を重ね、行き詰まるものばかり。

健康保険や、厚生年金保険、介護保険に群がる
利害関係者の醜さ。
生命保険、損害保険にしても、加入に熱心でも
いざ保険金を支払うとなると、これがなかなか。。手強いらしい。

つまり、保険加入者の貪欲さにつけ込んだ
保険料に群がる利害関係者の横暴さ。
つい最近、保険会社が相互会社から株式会社化とは、
ホントびっくりしてしまいます。

こんなことを立派に言っても、まあ私も人の子です
小額ながら、自動車保険とお葬式代が出るくらいの生命保険には
入っている。
けれど、このモラルリスクの実感をした私は
その恐怖にかなりやられてしまった
こんなことを考えるのは、私だけではないはず。
そんな人たちの集まる保険は、やっぱりごめんだなあ、、と
思っていた。

ふと、ある人のことを思い出した。
私が就職したばかりのころの、最初の上司。
自分の立場を守るためなら、、という感じのこの上司のことを。
あまり仕事ができる風でもないのに、よく、まあ、ここまで、えらくなれたなあ??という感じの人。

あるとき、そんな上司が、保険に全く入っていないということを知った。
あら、人は見かけによらない。
この人、実は、風見鶏ではない、信念のある人なのかも、と思った瞬間であった。
けれど、この人、骨董品のコレクターで有名だった。
うーーん、彼にとって、これがまさしく生きた保険だったのかもしれないなあ