いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

つながりたくない症候群

「友だちが少ないんだよね。」
この年になってようやくそれが
普通に言えるようになった。

多くの人がつながる。
仕事でも職場でも趣味でもボランティアでも
ネットでも、多くの人が集う。
「つながる」「絆」という言葉が
意味以上の意味を与えられた時代に
それでも、私はやっぱり「つながりたくない」

携帯は、スマホではないし
LINEやSNSツイッターもしない。
仕事をやめた1年前からは
日中はほとんどひとりで過ごす。

思えば、こどもの頃から
帰属意識に乏しかった。
けど、こどもの頃って、
ひとりでいることや
周りにあわせられないことは
結構つらいことだ。
早く、大人になりたい
そう思いながら、その時代を
しのいできたような気がする。
それは、人とつながれないアナタはおかしいのよと
親や先生や友人から言われないように
人とつながれる、つながりたい自分を
演出してた。

でもそんな下手な演出に演技なんて
すぐにばれちゃうもの。
学生時代、自分自身が望んでつながりたいと
思う人はほんの一握りであって
それも、いつも行動を共にする相手ではなかった。

早く、大人になりたい。
大人になったら、個として行動できると
思っていたのに
ところが、どっこい。そうはいかなかった。
職場は、学校なんかより
もっともっと帰属意識が必要とされた。
大人になっても、やっぱり
つながりたい自分を演じなければならなかった。
本当は、つながりたくなかったのにね。

今、静かに鎮座する携帯を持つ私は
ようやく「つながりたくない」本当の自分でいられる。
そんな携帯が音を発するとき
それは本当に「つながりたい」ひとだけである。